下山クリニック

内視鏡検査について

癌は日本人の死亡原因のトップであり,日本人の2人に1人が癌にかかり,3人に1人が癌で亡くなる時代です.癌は珍しい病気ではありません.なかでも日本人の胃癌・大腸癌の占める割合は多く,罹患率は男性では1位胃癌,3位大腸癌,女性では2位大腸癌,3位胃癌となっております.特に男性の場合,秋田県が胃癌の死亡率全国1位という不名誉な結果となっております.

癌を根治するには早期発見・早期治療が重要であり,そのためには定期的な内視鏡検査がもっとも有効な手段です.幸い,胃癌.大腸癌は内視鏡検査によりかなり早期の段階で見つけることができ,早期であった場合,内視鏡治療が可能な場合もあります.内視鏡検査は苦しいというイメージが定着しておりますが,それほど苦しいものでもありません.ましてや癌で外科手術を受けることに比べれば楽なものです.

是非定期的な内視鏡検査を受けることをおすすめします.

 

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)

当院では苦痛の少ない経鼻内視鏡で検査を行っております.

下記に当てはまる方は,一度検査を受けることをおすすめします.

  • 胸焼け
  • 吐き気
  • のどがつかえる感じ,胸がつかえる感じがする
  • 胃がもたれる
  • みぞおちのあたりが痛い
  • 食欲不振,体重減少
  • 便の色が黒い
  • 胃・十二指腸潰瘍の既往がある
  • 胃のバリウム検査で異常を指摘された
  • 検診や他医で貧血を指摘された
  • 食道癌・胃癌が心配
  • 35歳以上で一度も胃カメラを受けたことがない

ご予約の方法

電話でのご予約を承っております。0187-63-5110ヘ。当日予約なしでの検査も可能です。希望の場合は下記の検査の流れをお読みになり受診してください(検査状況によりお待たせすることがありますのでご了承ください)。また,午後の胃カメラも可能です.その場合は朝食は少量のみで,昼食はとらずにお越しください.

検査の流れ

  • 検査前日の夕食は軽めにし,午後9時以降は食べないようにしてください.(飲水は可です)
  • 検査当日は絶食でお越しください.(飲水(水のみ)は可です.検査1時間前まで)
  • 基本的に注射はしません.喉と鼻の麻酔をします.
  • 検査 は5分位で終了します.
  • 場合によっては生検(組織を一部採取し病理検査へ提出し診断すること)を行います.
  • 検査終了後,検査結果と注意点を説明いたします.

 

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

下記に当てはまる方は,一度検査を受けることをおすすめします.

  • 便に血が混じっている,おしりから出血する
  • お腹が張る,便通が悪い,便が細い,便秘と下痢を繰り返す
  • お腹が痛い,しこりを触れる
  • 家系内に大腸癌が多い
  • 検診で異常を指摘された(便潜血反応陽性)
  • 検診や他医で貧血を指摘された
  • 大腸癌が心配
  • 40歳以上で一度も大腸カメラを受けたことがない

ご予約の方法
電話で予約可能ですが,電話予約後,検査前日までに一度受診していただく必要があります.その際に検査の詳しい説明をいたします.ご予約は0187-63-5110へ.

 

検査の流れ

  • 検査前日の夕食は軽めにすませてください(野菜や繊維の多い食物は避けてください).
  • 夕食後,指示された下剤を服用してください.
  • 検査当日,朝から指定された時間から腸管洗浄液(1.8リットル)を服用していただきます.
  • 服用後しばらくして5〜10回ほどの排便があります.透明な水のような便になれば検査可能です.
  • 検査は13時頃から行います.12時半〜13時頃までにお越しいただきます.
  • 検査は15分〜30分程度で終了となります.
  • 検査終了後,検査結果と注意点を説明いたします.

大腸内視鏡前処置の下剤はクリニックへお越しいただいてからも服用いただけます

大腸内視鏡の前には専用の下剤を1.8リッターほど服用いただき,大腸の中を綺麗にする必要があります.これまで各ご家庭で朝から服用いただき,検査前に受診していただいておりました.家でのんびり服用できるメリットはありますが,便がなかなか出なかったり,トイレが寒かったり,ご家庭からクリニックの道中で便がでたらどうしようという不安にかられたりと,特に初めての方は不安を抱かれるのも事実です.そのような方へ,クリニック内に前処置スペースを設けました.クリニックへお越しいただいてからテレビでも観ながらゆっくりと下剤を服用いただけます.遠方の方も安心して服用いただけます.

大腸ポリープ切除について

当院では日帰りの大腸ポリープ切除を行っております.大きなポリープや癌の場合は入院や外科手術が必要となる場合がありますので,その場合は専門施設へご紹介させて頂きます.

脳梗塞や心臓疾患などで抗凝固剤(イグザレルト,エリキュース,リクシアナ,プラザキサ,ワーファリンなど)を服用されている方は出血の危険があるためポリープの切除は行っておりません.

ポリープ切除後は切除部の傷が治るまで,約1週間は飲酒,暴飲暴食,運動,旅行,出張はできません.

合併症の頻度は少ないですが,出血や穿孔(腸に穴があく)が起こる可能性がごく稀にあります.

「大腸癌検診(便潜血検査)を毎年受けているんですが,,,」

上記のような事をよく耳にします.一般的に行われている大腸癌検診とは,便潜血反応といって,患者さんがこすり取った便に血が混じっているかどうかを判定する検査です.つまり,便に血が混じっているかどうかしかみておりません.痔があっても便に血は混じりますし,大腸憩室や腸炎でも混じることがあります.逆に便に血が混じっていても,血の混じっている部分を採らなければ便潜血反応は陰性ですし,大腸癌があっても常に出血しているわけではありません.便潜血反応による大腸癌検診とは検診を受けている人と受けていない人を比べた場合,検診を受けている人の方が大腸癌で死亡する可能性が低いということしか言えません.大腸癌を早期発見するための検査ではないのです.実際,毎年検診を受けていてもかなりの進行癌で見つかる例も時々経験しております.しかしながら便潜血反応は安全・簡単・安価で一度に大量の人の検査を行えるため,検診方法としては優れているのも事実です.大腸癌の早期発見には大腸内視鏡が一番であると考えております.一度は大腸内視鏡を受けることをお勧めします.

大腸内視鏡の苦しさについて

よく大腸カメラは痛い,苦しいという話を聞きます.大腸は伸ばすと1.5m位の臓器であり,検査時の痛みは大抵は腸が伸びることの痛みです.大腸内視鏡は長い腸を延ばさないようにうまく縮めながら挿入します.痛いかどうかは患者さん側の因子と,術者側の因子に分けられます.患者さん側の因子としては腸(特にS状結腸)が長くて曲がりくねっている人,体との固定がゆるい人(専門的な話ですが,,,)は挿入が難しく,結果的に痛みを伴う結果となってしまうことがあります.また,以前開腹手術を受けたことがある方は腸の癒着により痛みが出る場合があります.またちょっとした痛みでも痛みを強く感じる方と,あまり感じない方がおります.術者側の因子として,第一に腸を延ばさないように丁寧に丁寧に挿入すること,そして大腸内視鏡挿入の技術を磨くことにつきます.つまり大腸内視鏡検査は誰がやっても痛くない人,どんな達人がやっても痛みを感じる人がいますが,それ以外の多くは上手に挿入することで痛みを感じずに行うことができます.当院では最小限の送気と腸管をたわませない「Non-loop 法」で最小限の苦痛で行うことを心がけております.

検査費用

検査費用は大まかに下記のようになります.(1割負担の方は3分の1になります)

ポリープの無い場合 約5,000円~6,000円(初診料など含む 3割負担分)
ポリープを切除する場合 約20,000円~30,000円(ポリープの数により異なります)
生検を行う場合 約9,000円~15,000円(初診料など含む 3割負担分)